クラウドはパラダイムシフトとなりうるか


僕の答えは明快で、クラウドパラダイムシフトとなり得ると思います。
理由は2つ。
1つは、MapReduce(概念自体は非常に古いんだけども)のような新しい可能性を示唆できるプログラミングパラダイム
出てきている事。これによって、現状の段階的進化を飛び越える可能性が出てきた事。主に大容量のWeb上のデータ解析と
それをベースとした未来への付加価値をソフトウェアで構築するシステムにエンハンスできるという可能性です。
ここまでは誰もが関心を持ってると思います。


そして2つ目はベンダがきちんとビジネスとして成り立つものが出てきている事。
きちんとした事業の継続性を考えると、ベンダがきちんと適正に儲かるのはとても大事です。
Javaが流行した理由も大きくはJavaに関わるベンダが企業努力した分きちんと儲かるからです。
そういう仕組み、今の言葉でいうとエコシステム、が出来たことがこれだけエンタープライズ領域でJava
流行った理由です。
この観点ではGAEは、このままであれば、流行らないでしょう。
あまり他ベンダにとってはメリットが無いからです。技術的にはBigTable/MapReduceあたりが
とても面白いなと感じますが、それだったらAmazon Elastic MapReduceを使う方がおそらく良いでしょう。
GAEは、Google自体に全てコントロールされており、その制約も現状厳しい。出来れば早急にオープンにしてほしいと願います。
Amazon Elastic MapReduceは、OSSMapReduceを備えた分散ファイルシステム基盤なHadoopの力と、
Amazonが提供するクラウド基盤と、Amazon自体がベンダニュートラルなので各種ベンダがきちんと適正価格で儲ける事が
出来るという、非常に良いインフラです。加えて、技術観点で言えば中身を覗けないBigTableよりも、HadoopとhBaseであれば
OSSなので自分でどのような仕組みになっているかをプログラマが勉強する事が出来ます。自分のビジネスに
フィットするように修正も可能です。


というわけで、総括すると、今後問われるのはこの大規模な分散基盤を手中にした僕およびあなたが
じゃあ何をどのように使って、アプリケーションに付加価値をつけれるのか、それが問われているのだと実感しています。
クラウドが文字通り簡単にスケールするなら、ヒューマンウェア・ソフトウェア・ハードウェアの中で一番のボトルネック
ヒューマンウェアです。しばらくはクラウド環境を実際どのように使うのかを考えては見たいと思います。


もちろん今までどおりの思考でアプリケーション開発であればそれしか出来ません。それが良い場合も当然あります。
しかし、重要なのは変わった先の環境を想定してどのように作り出すソフトウェアに付加価値をつけるかどうかです。
現況のアプリケーション開発ももちろん大事ですが、新しい価値を認めてそれをどのように価値に変えていくか、
また未来はこうあるべき・こう使うべきと問うことも同様に重要な事だと考えています。


(追記)
ひがさんがエンタープライズJavaは終わったと言ってて、エンタープライズJavaって何やねん?と思いましたw
ちなみに、私はJavaSEはかなり長い間サバイブすると思ってます。
またJavaEEでも、Servlet+JSP+JTA+JDBC+JNDIくらいのライトなプロファイルがあれば、それはかなりの長い間
残るでしょう。それをJavaEE6でWebプロファイルとしてくれるのを期待していましたが、
そこは実際に出てきたWebプロファイルを見て全然違ったので残念きわまりないです。くぅ。
Servlet+JSP+JTA+JDBC+JNDIを、勝手にアジャイルプロファイルとかライトウェイトWebプロファイルとか呼びたいくらいです。
そういう意味では、Servlet+JSP+JTA+JDBC+JNDIかわいいよ、と言っておきます。