オープンソースとGive&Giveの法則 - NTTデータとTISが社内システムをオープンソース化した狙いと反響を読んで -


NTTデータさんTERASOLUNAOSS公開の拡大など、企業がOSSに積極的に参加してその成果が出ているよというニュース。


NTTデータさんは「敵に塩を送ることになるのではないか」という懸念があったようですが、
Give&Giveの法則にたつとむしろ公開し広く世の中に知られることは自分達のプラスになると思います。
Give&Giveの法則とはひとまず与え続けることで認知してもらった上で本当に使ってもらえるとなったときに
はじめて対価をもらう法則です。何事もまずは知ってもらうことが重要なわけですから、そのために与え続けるわけです。


製品が知られるには幾つかのステップをたどる必要があります。
一番基本的なのは「認知」→「理解」→「評価」の思考フレームワークです(元々は提案全般だと思いますが)。
まず知ってもらわなければ何も始まらないのだという仮説にたつと、自分達から広く公開し
知ってもらうことが最大のメリットになるわけです。理解と評価はその後で十分です。利益を得るのも評価後です。


このようにGiveし続けていくことはとても重要で、ひたすらGiveし続けることで
結果として認知されるのが重要です。それが理解につながり、評価につながる、利益につながる。
(勝間さん風にいうならば、Give5乗の法則ですね)
道のりはおそらく長いのですが長期的にみれば効果は絶大だと自分は信じています。



NTTデータさんの半年の結果としても

「これまでNTTデータとの取り引きがなかった企業からの問い合わせが来るようになった」と冨安氏は言う。
すでに多くの企業はフレームワークを導入しているが,社内にいくつものフレームワークが混在している企業も多い。
フレームワークの統一を検討している企業がその候補として検討している」(冨安氏)。
まだ契約には至っていないが「近々成約するかもしれない」(同)。

と成果が出ているようです。
認知された結果の実例として良いことだと思うし、このように世の中に色々な選択肢がオープンなところで
共有資産として増えていくことは本当に素晴らしいことだと思います。



ちょっとだけ気になったのは

TERASOLUNA Server Framework for Java」の場合で1万5000ステップという規模だ。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080715/310820/

あれ?なんか少なくない?
Seasar2とかStrutsTeedaとかのコードをみてるとなんか少ない気がする。
もしかして色々なレイヤとかがあって、「TERASOLUNA Server Framework for Java」だと
基盤レイヤとかだったりするのかな?ってのが少し疑問でした。


あとは課題としては、企業さん(例えばNTTデータさんのTERASOLUNAAdobeさんのBlazeDS)がOSS
公開した後の点が今後の課題といえるんじゃないかと思います。
つまり企業さんの中の開発者の人と、外部からコラボレートしてくれる開発者の人と同じ思惑であるとは限らないので、
そこらへんをどのように方向付けてうまくやっていくかは色々試行錯誤するんじゃないかなあと見ています。


色々考えさせられた記事でした。